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ベルリン生活22日目 〜ベルリンで(陶芸)工房を探す方法〜

ベルリン生活も今日で22日目を迎えました、千葉です。

すっかり秋めいてきたベルリン。
手袋がないと自転車移動が辛い季節になってきました。
工房に関する情報収集・連絡が取れたら自転車で現地へ向かう、など市内を駆け巡っている日々を送っています。
今回はドイツで陶芸をする予定の方には有益な情報かもしれません。





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日本から持参した愛車Brompton。
乱暴に扱われやすい預け荷物ですが入念に保護した甲斐あり無傷!





さて、工房の話が出ましたが、結論を言うと、まだ見つかっていません。
が、始めようと思えば直ぐに制作できる環境は見つけました。ただ、妥協したくないのでよりよい環境を求めている最中であります。



〜工房探し(設備が既に整っている環境の場合)〜

現時点では、自身の工房の一部分を貸してもいいよという人が3人ほど名乗りを上げてくれているのですが、誰かの工房を間借りするのはのびのび&テキパキと制作するには不自由な点が多々あることがわかりました。
(窯が壊れている・窯のサイズが小さい・制作した作品を工房内のギャラリーで販売してはいけない(その割に家賃高い)など。)
この手の設備が整っている環境で制作するメリットとしてはイニシャルコストが掛からないこと。契約内容にもよりますが、出やすい(辞めやすい)ので一時的な制作環境としても使いやすいわけです。
ただ、単純に誰かの”城”に居座らせてもらっている感覚があると気疲れしやすい。笑 
余計なことにエネルギーは使いたくないので工房シェアはなし、ということで結論付けました。

上記3人は私が直接的に連絡したので稀な例ですが、制作環境を提供する”レンタル工房”も何軒かベルリンにはあります。
殆どリサーチ済みですが、この手の場所は”趣味”の場所、いわゆる陶芸教室です。
メンバーシップといって、会員になれば工房内である程度自身の場所を持てるところもありますが、時間・曜日が限られていたり、アマチュア(生徒さん)に指導を求められれば教えないといけなかったり、あらゆる人の出入りがある為集中できない、などのデメリットがあります。
このメンバーシップ制度は結局のところ陶芸で本気で食っていく人には向いていないです。



〜工房探し(自分一人で場所を借りる場合)〜

プロとして活動するにはこちらの選択肢を取るべきでしょう。
この場合、窯・ロクロなど設備を整えていく必要があるのでイニシャルコストは掛かります。
また、単相・三相の概念はドイツにもあります。日本の場合
三相の場合、電気工事が必要なのは日本同様。ある程度大きい電気窯を使う場合は三相が必要となります。(依頼する電気会社によりますが電気工事に€500〜700程かかるようです)
三相の電気工事済みの部屋が見つかればラッキーでしょう👌(ドイツ語で三相のことをStarkstrom(シュタルクシュトロム)と言います)

※2019年10月23日更新
ドイツの三相Starkstromには16アンペアと32アンペアの2種類があります。
調べたところ、16アンペアで使用できる電気窯はメーカーにもよりますが、大体が170リットル以下のサイズのものになりますのでそれほど大きな窯は使えないということになります。ただ、16アンペアの範疇で使える最大の電気窯の場合、使用電力(Kw)に気を付けて下さい。
電気窯作動中に他の電化製品を使ったらブレーカーが落ちる、という事態は絶対に避けたいので作業場のブレーカーを確認して下さい。
電気のことはわからない!という海外で陶芸をされる方にオススメな方法ですが、
まず作業場のブレーカーの写真(Kw、V、A、Hz、kWhなど全てが表示されている箇所)を撮影。加えて電気窯のメーカーのパンフレットを電気屋さんに持って行くと、どの窯ならその作業場に適しているか教えてくれるはずです。

(私自身電気のことは無知だったので今回日本にいる電気のプロの方に色々相談し何となくわかった感じです笑)


因みにベルリンで電気窯、ないしは陶芸材料を購入される方は以下の陶芸材料店と付き合うことになるでしょう。


ベルリンに実店舗を持つ陶芸材料店です。ドイツ人オーナーともう一名の店員は英語が話せるので丁寧に解説してもらえます。配送も可能で、窯の修理も受け付けています。言語対応やサービスがいい分、他のお店よりなんでも若干高いですが、安心感はあります。

こちらの方が品揃えは豊富(恐らくドイツ最大の陶芸材料店?)。電気窯に関しても同じ製品でもこちらの方が安いです。ただ、実店舗がドイツ西部にあり、ベルリンからだとネット・電話・FAXなどの方法で注文することになります。重量があると送料が結構かかるので注意。

※2021年8月31日更新
上記以外だと以下。

こちらはベルリンに店舗があります。英語が話せる店員が私の知る限りだと一名います。
また、いくつかの釉薬原料に関してはCarl Jägerから取り寄せているので、私の場合、釉材料は殆どCarl Jägerから購入していたのですが、送料の負担が大きいので最近はこちらで購入することが多いです。
原料生産地の違いによる成分の微妙な変化を嫌う人は同じサプライヤーから購入するのがいいでしょう。

Töpfereibedarf Berlin, Stork KG

親子二世代で営んでいて、唯一息子さんが辛うじて英語が話せます。
最近は窯の修理を専門的に請け負っているらしく、材料の購入はおすすめしません。かなり待たされるか、注文自体を忘れられてることが多いです。笑
ただ、陶芸に関しての質問は丁寧に教えてくれます、特に焼成に関して。英語に苦労している様子が見られるので、こちらである程度ドイツ語を仕込んでからいかれるといいでしょう。また、Carl Jägerの分店と勘違いされいる方が多いですが、なんの関係もありません。

ベルリンに店舗はありませんが、本社はNürnbergにあり、ドイツの複数の街に店舗を持つ会社です。
私自身まだこちらは利用したことありませんが、一応載せておきます。





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三相のコンセント




私が思うに、設備が全て整っている工房を借りる(人とシェアする)場合ゼロから設備を整えていく(一人で借りる)場合を比較すると、後者の方が圧倒的にメリットが多いです。経済的な理由にしても生産効率にしても。
自分の工房を貸してもいいよと名乗り出てきた方々が提示した月額工房使用料は€350-400(焼成代抜き)。
レンタル工房に関してはピンキリですが、そもそもガッツシ制作できる環境ではないので比較するまでもなく。
今迄出会った自分の工房(シェアではない)を持つ方々に家賃を聞いたところ、30-40平米前後のスペースで月€700-850あたり(焼成代抜き)。
私はEbay(イーベイ)というサイトもチェックしているのですが、本当にラッキーだと月€200くらいからアーティストに向けて真っさらな部屋を貸している人もいます(※ただこの手の安い物件の場合陶芸家は断られることが多々あり。部屋を汚されるという認識があるのか避けられるようです)。
が、本当にピンキリなので相場はないと思っていいでしょう。
シェアの方が賃代で見れば安いですが、作業・生産効率のことを考えてみましょう。自分一人で制作する方が作れる個数が多いはず。作業全体の効率がシェアよりも高いなので(勿論売れるという前提で考えています)利益としては多くなるはずです。





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陶芸メーカーのカタログ





〜ベルリンの家賃事情〜

聞いたところ、年々家賃の高騰が深刻になっているベルリンですが、どうやら法律で賃上げができなくなったようです。
ただ、これは住居として貸し出している物件に関してのみのようです。
賃上げをきっかけに工房を引っ越すアーティストもいるようで、最終的に入居時の賃料の2〜3倍にまで膨れ上がった、ということもあるようです。




〜最後に〜

もう情報収集は散々しましたので、あとはいい物件に巡り会えるかどうかタイミングの問題!
物件を見つけ次第ワーホリビザ申請予定です(ドイツは現地申請可)。
さて。どうなることやら〜







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by napaniku | 2019-10-06 05:49 | ベルリン